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DWELL 「縁の家」

DWELL は、住まいのもつ「つながり=縁」の作用を再考し、「家のつくりようは、縁を旨とすべし」という
現代のコンセプト住宅「縁の家」を提案します。

四季豊かな我が国の住まいは、「家のつくりようは、夏を旨とすべし」という有名な句にあるように、温暖湿潤な気候に「順応する」こととされてきました。
これに対してモノが豊かになった現代の住まいは、それからどのように変化してきたでしょうか。それは、自然に対して「順応する」ことから「抵抗する」ことに傾向したと言えるでしょう。

その結果、私たちは四季にとらわれず健康面、衛生面、安全面、経済面等が充実した住まいが可能となりました。
私たちはこの時代の変化の中で「抵抗する」ことに頼るばかりに、結果的に住まいのウチ・ソトで起こる身近な出来事との「つながり」も希薄になってしまったように思います。
本来、昔からの住まいの知恵は、自然とのつながりだけでなく、家族や近所、街、そして未来へのつながりを見据えたものであったはずです。

冒頭に挙げた徒然草「家のつくりようは、夏を旨とすべし」の後にはこう綴られています。
「家の作りは、(当面は)役に立たない場所を作ったりするほうが、見た目にも面白いし、何かのときに色々と役に立って良い」(口語訳)

きっとこれは長く快適に暮らすためには住まいのウチ・ソトで起こる身近な出来事に対して「順応する間」があると良いと言っているのでしょう。
すなわち、住まいに「未来とつながる間・場」が必要だというヒントを私たちに与えてくれています。それは、昔の間取りに見られる縁側などによく表れており、すでに私たちはその古き良き空間の良さを知っているのです。

縁側の「縁」は、えん・ゆかり・へり・ふち・えにし・よすがなどと読み、2つ以上のものがつながりを持つ作用の事であり、まさに「順応する間」又「未来につながる間・場」を示しているのだと言えます。